こんにちは、BPLaboです。
今回のコラムは、『リーダーの心得:相手の強みを活かすコミュニケーション』をテーマにお届け致します。
さて、突然ですが、
あなたは、自分で自分のことを「内向的」だと思いますか?
それとも、「外向的」だと思いますか?
一般的に、
内向的と聞くと「自分の殻に閉じこもる」ようなイメージで、
外向的と聞くと「社交的でオープン」なイメージがあるかもしれません。
でも、決して内向的だから悪いとか、外向的だからいいという話ではありません。
どちらにも素晴らしい美点があります。
今回のコラムは、その美点を活かし、
相手と良好なコミュニケーションをはかることが目的ですので、
一般的な先入観はできる限り捨てるようにしましょう。
まずは、自分の傾向(内向的か外向的か)を知ること。
そうすれば、相手の傾向を読み取ることができます。
そして、相手に適切な言葉をかけてあげましょう。
それでは、自分を内向的だと思う方も、外向的だと思う方も、
このコラムを読み進めながら、これまでの自分の行動を振り返って改めて自分の傾向を判断してみてください。
まず、いくつか質問をさせていただきます。
それぞれの質問はAかBかの二択になっておりますが、選ぶ基準は『どちらかというとA(B)』という感覚で構いません。
深く考えすぎることなく素直にお答えください。
【質問1】
あなたは、
A:一人で過ごす方が好きですか?
B:大勢の人と過ごす方が好きですか?
Aを選ぶ判断基準としては、以下を参考にしてみてください。
- 大勢の人が周りにいると、あまり喋らなくなる
- 周りからの注目はできるだけ浴びたくない
- 気がつけば、聞き役に徹している
- 多くの人と交流がもてるパーティーよりも、親しい友人や恋人などと家でまったり過ごす方が断然好き
- 初対面の人に自主的に話しかけることはなく、話しかけられても会話が続かない
- 自分のことを他人に話したがらない
Bを選ぶ判断基準としては、以下を参考にしてみてください。
- 大勢の人が周りにいると、よく喋るようになる
- 人の輪の中心にいたい、注目を浴びたい
- 気がつけば、会話を独り占めしている
- たまには少人数で家でまったりもいいけど、どうせなら多くの人と交流がもてるパーティーの方がいい
- 初対面の人に自主的に話しかけることができ、誰とでも気軽に雑談ができる
- 自分のことをよく他人に話す
【質問2】
あなたは、
A:一度に一つのことだけに集中しますか?
B:同時にいくつものことができますか?
Aを選ぶ判断基準としては、以下を参考にしてみてください。
- 慌ただしくないゆっくりとしたペースを好み、のんびりなところがある
- 一つのことにのめり込むことが多く、すぐに他のことに目移りするようなことはない
- 多方面の知識はないが、ある特定の方面においては深く詳細な情報を持っている
Bを選ぶ判断基準としては、以下を参考にしてみてください。
- テキパキとした早いペースを好み、せっかちなところがある
- 旬な情報はすかさずキャッチし、一つのことだけに立ち止まることなく、次から次へと新しい情報に目が向く
- それぞれに深い知識はないが、多方面の情報を持っている
【質問3】
あなたは、
A:他の人が行動するのを待って、じっくり考えてから行動しますか?
B:考える前に、率先して行動しますか?
Aを選ぶ判断基準としては、以下を参考にしてみてください。
- 質問をされたら、即答せずによく考えてから返答する
- 口に出さず、頭の中で静かに考える
- 熟考してから自分の考えを口に出す
- 一つの仕事を仕上げるまでにわりと時間がかかる
Bを選ぶ判断基準としては、以下を参考にしてみてください。
- 質問をされたら、すぐに返事をする。返事が早い
- 頭の中で静かに考えるのではなく、口に出して考える
- 熟考せずに自分の考えをそのまま口に出す
- テキパキ仕事を進め、次から次へと素早く片づけていく
それでは、ここであなたのAとBの数を確認してみてください。
Aが3つなら、内向的。
Aが2つでBが1つなら、やや内向的。
Aが1つでBが2つなら、やや外向的。
Bが3つなら、外向的。
このような判断でおおむね問題はないでしょう。
ぜひ、自分の傾向と、その美点を再認識してみてください。
さて、自分がどういう傾向なのかを知ったところで、ここからが大事なポイントです。
人間関係を良くするために重要なのは、
相手がどういう傾向かをつかみ、適切なコミュニケーションをとることです。
そして、適切なコミュニケーションとは『相手のニーズを叶えること』なのです。
ここからは、その具体的なコミュニケーションについてお話ししていきたいと思います。
内向的な人のニーズを叶えるコミュニケーション
内向的な人のニーズを整理すると、
- 一度に一つのことに集中したい
- 一人で集中して物事に取り組みたい
- できる限り目立ちたくない
- のんびりじっくり進めたい
などがあげられます。
つまり、『これらのニーズを奪ってしまう言動を避けること』が内向的な人のニーズを叶えることになるわけです。
分かりやすく、上司と部下のシーンで考えてみましょう。
仮に、あなたは上司で、あなたの部下は内向的だったとします。
そうであれば、あなたが仕事仲間とわいわい楽しく飲んでいるときに、内向的な部下をわざわざ電話で呼び出したりすることは避けるべきでしょう。
また、多くの人や情報が絡み合うバタバタのプロジェクトの中に、内向的な部下を強制的に放り込むのは上司としてうまい人選だとは言えません。
内向的な部下のニーズを叶えてあげさえすれば、内向的な部下のパフォーマンスは高まるわけですから、
上司が内向的な部下を伸ばす対応としては、
- 「二人で飲まない?(今後について話そう)」
- 「どうすればこの問題が解決できるか、徹底的にまとめてくれる?」
など、「少人数」「一つのことに集中」といった提案や指示をすることが望ましいと言えます。
外向的な人のニーズを叶えるコミュニケーション
外向的な人のニーズを整理すると、
- 多方面の情報が欲しい
- いつでも誰かと一緒に行動したい
- 人の注意を惹きつけて注目されたい
- テキパキ動き、さっさと片づけたい
などがあげられます。
ここでも同じように上司と部下のシーンで考えてみます。
部下が外向的であれば、仕事仲間で飲みに行く場合は必ず声をかけて誘うべきでしょう。
後になって、自分だけが誘われなかったことが分かれば、部下は「私は必要とされていない」などと『人格を否定された』ように感じてしまうかもしれません。
また、外向的な部下には、一人で仕事をさせるよりもチームで協力し合いながら進めてもらう方がパフォーマンスが高まる傾向にあります。
周りの人と活発に意見交換ができるような環境で楽しみながら仕事に取り組ませることができれば、多いに結果を出してくれるでしょう。
上司が外向的な部下を伸ばす対応としては、
- 「皆で飲みに行こう!(結束力を高めよう)」
- 「様々な情報を収集して取り組んで欲しい」
など、「みんなで」「幅広いアイディアで」といった提案や指示をすることが望ましいと言えます。
いかがでしたか?
つまり、
内向的の人は『深さ』を追求できるスペシャリスト。
外向的な人は『広さ』を追求できるジェネラリスト。
ぜひ、相手の強みを活かす働きかけを。
それでは、また次回をお楽しみに!