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こんにちは、BPLaboです。
このコラムでは「結果を出すための接客術」をテーマにお届けしています。
さて、
お客様が物やサービスの購入で迷っているとき、最終的にどういった理由で選ぶのでしょうか?
営業・販売を職業にしている人であれば、誰もが「知りたい!」と渇望するところでしょう。
その答えは『お客様の言葉』に隠されています。
専門的に言うと、お客様が「アイディア重視なのか、マニュアル重視なのか」ということが、物事を選ぶ理由にも関係しているのですが・・・。
「何だか、むずかしそう・・・」
そう思われた方も多いかもしれませんね。
そこで今回は、アイディア重視とマニュアル重視について分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
それでは、理解を深めていきましょう。
まず、「アイディア重視、マニュアル重視って何?」ということから。
アイディア重視の人は、新しいアイディアを求める傾向があります。
例えば、お客様がアイディア重視であれば、
- 新しい
- 創意工夫
などの「アイディアやひらめき」を感じさせる発言が多くなり、常に良い方法を探して、今までにないものを好む傾向があります。
そのため、『大きく変わることを期待している』というのもアイディア重視の特徴の一つです。
一方、マニュアル重視の人は、既存の型を重視する傾向があります。
例えば、お客様がマニュアル重視であれば、
- 既存のまま
- プロセスに沿って
- 手順通り
などの「マニュアルや型」を感じさせる発言が目立ち、決められた手順に従うことを好み、マニュアル通りのやり方で最後まで進めようとする傾向があります。
そのため、『同じであることを望んでいる』というのもマニュアル重視の特徴の一つでしょう。
ここからは、実際のシーンに置き換えて理解を深めていきたいと思います。
それでは、あなたが洋服のショップ店員さんという設定で考えてみましょう。
例えば、お客様との何気ない会話の中で、
- 「カタチが斬新!」
- 「このデザイン今までにないよね?」
という発言が多いことに気づいたとします。
この場合、お客様の重視しているポイントは「他とは違うこと」であり、アイディア重視です。
参考までに、アイディア重視のお客様に合わない言葉を返すとこうなります。
「昨年から大ブレイクしているデザインのシリーズでして、そちらは今年のモデルになりますね!」
このように、既存の流れやこれまでの延長線上であることを感じさせるような”マニュアル重視の言葉(相手の重視傾向とは反対の言葉)”を返してしまうと、アイディア重視のお客様にはピンとこないことが多いのです。
では、店員であるあなたはどんな言葉を返したらお客様の心をつかめるのでしょうか?
この場合のお客様はアイディア重視ですから、
- 「私も10年以上ファッションの世界にいますが、今までに見たことのない新しいデザインですね!」
- 「他のデザインとは決定的に違った斬新さがありますね!」
とズバッと『これまでにない』という点を伝える方がずっと効果的だということです。
しかも、アイディア重視の傾向がより強くなると、たとえその商品が今すぐに必要なものでなかったとしても、商品に未来のワクワクを感じて直感的に購入してくれることもあります。
商品を5点お見せしたら「全て購入された」というケースはアイディア重視のお客様であれば決して珍しいことではないのです。
でも・・お客様の重視傾向に合わない対応をしてしまうと、そんな絶好のチャンスを逃してしまうことになりかねません。
かつての私にもありましたね、にが〜い思い出が、、、
お客様の顔がこわもてだったもので・・ついつい相手の顔色ばかりうかがってしまったんですね。
私は「これだけでいいので買って〜!」と心で叫びながら1点の商品を何とか買ってもらえたんです。
問題は私が休暇をもらっていた次の日に起こりました。
なんと、、、そのお客様が再び来店されて、他に3点も商品を買っていったんです。
休暇中に連絡を受けた私は「俺はなんて営業力がないんだ・・・」とひどく落ち込んだものです。
売上が給料に反映される歩合給でしたからね(笑)。
今思えば、お客様は完璧なアイディア重視でしたから・・・、トホホです。
ですから、お客様の態度や反応にばかり気をとられずに、言葉に集中してみてくださいね。
ヒントは必ず『お客様の言葉の中』にありますから。
一方、
- 「これは私のイメージじゃないね」
- 「いつも同じようなデザインにばかり目がいってしまう」
などの発言が多かった場合はどうでしょうか?
この場合は、お客様の重視しているポイントは「自分の型」であり、マニュアル重視になります。
ですから、
「ご自身に一番適したものを知っておられるのは素晴らしいことですね!確かにこちらの方が、お客様のイメージだと思います」
と、お客様らしい商品であることを伝えた方が「あなた、よく理解しているわ」という言葉をいただきやすくなりますね。
さらに、マニュアル重視のお客様は「本当に自分に必要な商品なのか?」という堅実な考えを持つ傾向があります。
そのため、好みの商品を5点お見せしても「何も購入されない」というケースは少なくありません。
マニュアル重視のお客様には、必要以上に商品をご紹介するのではなく、しっかりと見極めた1点をオススメしていく方が成約に結びつきやすいと言えるでしょう。
このように、曖昧な感覚で判断するのではなく、
お客様の発する言葉から『何を重視しているのかを汲み取って商品の選択をエスコートしてあげること』が真のプロフェッショナルな対応であり、結果を出すための賢い接客術なのです。