こんにちは、BPLaboです。
このコラムでは、『相手の本音を引き出す秘訣』について取り上げています。
営業、販売、接客など、お客様を相手にモノやサービスを売る職業の方であれば、
相手の本音は正確につかみたいもの。
では、本音を引き出す秘訣は何なのか?ということですが、、、
それは、『自主的に本音を話したくなる気持ちを起こさせること』に尽きます。
もちろん、相手の手足をきつく縛りつけて強引に本音を引き出すこともできるでしょう。
でも、強引で社会のルールに反するやり方をすると、必ず自分に返ってくるものです。
相手の本音を引き出すのに「強引さ」は必要ありません。
必要なのは、『相手を認めて受け入れる』こと。
「強引に」ではなく、相手が「自然に」本音を言ってくれるようなリードをすることなのです。
では、実際どうすればいいのでしょうか?
そこで、有効な6つの手法をご紹介したいと思います。
その手法は、次の6つです。
- 相手と同じ動作をする
- 相手と同じ言葉を返す
- 相手の「背景/状況」に合わせた言葉を返す
- 相手の話すスピードに合わせる
- 相手の呼吸に合わせる
- 相手の価値観に合わせる
今回のコラムではVo.1として、
- 相手と同じ動作をする
- 相手と同じ言葉を返す
の2つの手法についてお話していきたいと思います。
手法1. 相手と同じ動作をする
相手と同じ動作をするということですが、注意点もありますので順を追って説明していきます。
この手法は、例えば、『相手がグラスを手に取ったら、あなたもグラスを手に取る』という手法です。
相手を鏡に映すような例えから『ミラーリング』とも呼ばれています。
ここでのポイントは、
【最初のうちは動作が「相手➡あなた」の順で、時間の経過と共に動作が「あなた➡相手」の順に変わるかどうか?】
という点にあります。
相手の視覚に「私は、あなたと同じです」ということを訴えかけて、それがきちんと相手に伝わったかどうかを観察していきます。
例えば、、、
あなたが手であごを触った直後に、相手も同じ動作をしたのであれば、
相手は『あなたを受け入れた(信頼し始めた)』ということになります。
また、
あなたが背筋を伸ばした姿勢からゆったりと椅子にもたれかかるような姿勢に変えたときに、
相手もちょっと体を動かして体勢を変えたのなら、これも立派な『受け入れOKのサイン』です。
ただし、注意点も!
それは、『何でもかんでも真似をすればいいということではない』ということです。
この手法は、あくまでも『相手に気づかれないように行う』べきもの。
相手が立場も年齢も上であったりする場合や「気づかれてはマズイ相手」であるのなら、
相手が足を組んだら、あなたは足首だけを軽く交差したりするだけでもいいでしょう。
相手に敬意を払って、相手に不快な気持ちを抱かせないように細やかな配慮を心がけて実践してみてください。
相手が無意識にあなたと同じような動作をとるようになってくれば、
会話のほとんどが本音トークとなり、思いもよらない情報まで手に入れることができるかもしれませんよ。
手法2. 相手と同じ言葉を返す
この手法は、相手の言葉を繰り返すことで相手の聴覚に訴える『おうむ返し』と呼ばれる手法です。
ただし、ここで私が提唱する手法は文字通りの「相手のそのままの言葉を返す」という意味ではなく、
- 相手の話を要約して返すこと
- 相手の話しの意味は変えずに表現をアレンジして返すこと
であるということを最初にお伝えしておきます。
例えば、
「先週洋服を買いすぎちゃったのよね」
というお客様の言葉に対して、
洋服のショップ店員であるあなたが、
「買いすぎてしまったのですね・・」
と、相手のそのままの言葉を返して会話をつないだとします。
でも、それだけでは、お客様からすれば「会話が広がらず面白くない」ため、
お客様があなたの接客やサービスに感動を覚えることはありません。
お客様がそんなことを思っているとは露ほども知らずに、
あなたがお客様と同じ言葉を執拗に繰り返せば、
「なんだか、マニュアル通りに確認されているような気分ね・・」
と、不快感さえ与えかねません。
そうならないように、
「充実したショッピングだったのですね!」
などのように、会話の流れに明るい変化をつける言葉を返すことが重要なのです。
まとめ
- 相手と同じ動作をする
- 相手と同じ言葉を返す
これらの手法は、どちらも自分の動作や言葉が”同じように”繰り返されるために、
相手は「受け入れられた」「認められた」と感じて、あなたから安心感を得ることにつながっています。
安心感へのエスコートこそが「相手の本音」を引き出すマナーであると心得ておきましょう。
「あの人と話をするといつもスムーズにショッピングができるのよね」
そう言われる店員さんは、実際は『そう感じさせているだけ』なのかもしれません。
そこまで言われれば、お客様が店員であるあなたを信用し、信頼に変わった証と言えるでしょう。
その信頼は『あなたには本音で話せる』という意味を持つのです。
さて、いかがでしたでしょうか?
相手と同じ動作をし、同じ言葉を返す。
注意点さえおさえてしまえば、決してむずかしいことではありませんよね?
ぜひ、現場で実践してみてください。
次回のVo.2では、
- 相手の「背景/状況」に合わせた言葉を返す
- 相手の話すスピードに合わせる
の2つの手法について取り上げていきます。
それでは、次回をお楽しみに!