かつて、会社は生き物だと語ったカリスマ経営者がいました。
私も、そう思います。
会社という組織は、『人・物・金』という血液を循環させ、詰まりのない健康体であることが望ましいものです。
サラサラで快適に流れる血液が、健康を促進させ、成長して長生きできる秘訣とも言えます。
しかし、血液がうまく循環せずに、なかなか健康を促進させられず、成長がストップしている企業が多いようにも思います。
そして、リーダー/管理職向けのトレーニングをしていると、特に大きな要因は『当人たち』にあると気づかされます。
その大きな特徴として、
リーダー・管理職の『成功体験が成長の妨げになっている』ということ。
つまり、「自分がこれまで成し遂げてきた成果」を「自分のアイデンティティ」に組み込んでしまい、『過去の成果 = 今の自分の価値』と信じて疑わない状態に陥っているということです。
日進月歩という言葉では表現が窮屈になっているほど、今の時代は一瞬一瞬で変化しつづけています。
そんな現代では、過去の成功体験が通用するとは限りません。
時には、ゼロから出直すことをいとわない『経営に誠実な心』が求められます。
でも、自分のアイデンティティに過去の成功体験を組み込んでいる人には、それがなかなか出来ないのです。
例えば、『会社のキャパシティー = 会社トップのキャパシティー』であるわけです。
もし、トップが過去の成功体験に縛られていたのであれば、その会社は『トップの過去の成功体験以上のこと』は生み出せません。
もっと詳細に目を向けていけば、
会社の中の組織のキャパシティーは、その組織の長のキャパシティーであるということになります。
頭では分かっているはずなのに・・・変わらなきゃと思っているのに・・・
それなのにどうして、変われないリーダー・管理職が多いのでしょうか?
それは、「過去の成功体験を手放すことは自分の価値を手放すことと同じ」つまり、『過去の成功体験がなければ自分は何の価値もない人間だ』と思い込んでしまっているからです。
そういった根拠のない不安から自分を守ろうとする働きによって、いつまでも過去にしがみついてしまうために、会社の成長がストップしてしまっているわけです。
一方、成長し続けている会社のリーダー・管理職は、自分のアイデンティティに過去の成功体験を組み込んでいません。
過去の成果は、単に『自分が過去に行動してきたことにすぎない』として今とは切り離して捉えています。
そんな彼らは、変わることに抵抗がないばかりか、むしろ変わることを楽しむことだってできるわけです。
私は、なにも「過去の成功体験を今に活かすことは出来ない」と言っているのではありません。
過去から学び、よりよい未来を創造することにつながることだってもちろんあるでしょうし、それはそれで素晴らしいことだと思います。
でも、『過去の成功体験=あなた本来の価値』では決してないはずです。
あなたは、新しい可能性の連続を生きるためにいるわけですから、過去にしがみつく必要なんてどこにもない。
そう心から言いたいのです。
それでは、ここで過去の成功体験を手放すエクササイズを1つお伝えしておきましょう。
「過去の成功体験がなくても、私は価値ある人間だ」
こんなふうに、自分を何度も承認して、過去を完了させるのです。
最高のアファメーションですね!
ぜひ、鏡に映る自分に向かって何度も声に出してみてくださいね。
バカみたいに、そして大まじめにやると、効果絶大ですよ!